下図は何か分かりますでしょうか。そう。白旗山です。数年前の状態の空撮写真でしょうか。航空写真に塗られている色やマークは以下のとおりです。
橙色・・・土石流危険渓流
黄色・・・土石流
水色・・・急傾斜地崩壊危険個所
赤と黄色の縞々・・・急傾斜地の崩壊
避難マーク:がけ崩れ、土石流及び地滑り発生時の指定緊急避難場所
色が塗られているのは全て災害リスクを含む場所ということです。
引きで全体を見てみましょう。
下図は引きで確認した図です。飯塚市は盆地だけあって、山の災害リスクは広くマッピングされていることが分かります。
住宅街に近く、それなりに人口密度の高い場所に存在するハザード領域は白旗山に集中していることが分かります。
市役所が公開しているマップはどうなっているでしょうか。
国交省のそれと比較すると、国交省が示している土石流危険渓流の表記がありませんが、それ以外は同じです。少なくとも、地形的なリスクのある土地ということは分かりました。
山の木々を伐採し、山本来の機能を損なった状態では、いずれマッピングを変更する必要が出てくるでしょう。ハザードマップ作成方法は国土地理院によると、
「ハザードマップを作成するためには、その地域の土地の成り立ちや災害の素因となる地形・地盤の特徴、過去の災害履歴、避難場所・避難経路などの防災地理情報が必要となります。」とのことです。
改変するとなれば、この地域であれば地形・地盤の特徴変化がどの程度かを再調査する必要があります。その費用を自治体が負担しなければいけない場合はかなりの金額になるでしょう。大規模な調査によってデータ再取得が必要になりそうですが、短期かつ安価で高精度にシミュレーションする方法もあります。
現在のハザードマップが国土地理院の記述のとおりであれば、火山土地条件、土地条件、沿岸海域土地条件、都市圏活断層など様々な大規模過去データが存在するはず。それらデータセットを用ていて機械学習を使った特徴変化予測値を出力し、現データに反映します。予測のシミュレーション結果ではありますが、過去の実データを使っての予測である程度の精度は期待できる可能性があります。
機械学習はAI手法の一つで、人間が不得意とする統計情報から答えを推測することができます。AIだとDeep Learning(深層学習)という手法をよく耳にしますが、機械学習と深層学習は別物です。肝心なのはどういうデータを用いているかであり、機械学習用にデータ処理できるかどうかが重要となります。さすがに無いとは思いますが、国交省のマッピング根拠が数値データなどではなく学者によるプロの目勘や経験則による予測結果であれば、機械学習ではなく深層学習としての予測が必要となります。その場合は作るコストが尋常ではないので自作するよりも、国交省管轄の研究開発チームの成果を応用させてもらった方が良いかもしれません。実際にAI研究開発分野では、Deep Learningを用いた土砂災害の評価アプローチなども日々研究が進んでいます。Youtubeの動画数本の製作に2,000万円使う自治体もいるようですが、局所的であっても、地域住民にとって有益な効果を期待できるところに予算をつけるのはアリなのかもしれません。
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