9月20日(火)に行われた議会運営委員会において、新体育館の移動式観覧席を巡る納入業者選定の経緯が不透明だったとして、百条委員会(調査権に基づく特別委員会)の設置を求める請願が提出されました。紹介者である金子加代議員が経緯の説明を行い、議論の後委員長を除く8名の委員が請願について採決を行います。
経緯
鯰田に建設中の新総合体育館について、もともと本体工事に入っていた移動式観覧席が、本体工事から外されて物品納入ということになり、6月議会で議案として上がってきたことが発端です。移動式観覧席は504脚で納入金額は7,843万円。1脚あたり約15万5,000円です。物品納入で事務用品として入札をすることから、事務用品の入札参加業者29社のうち13社を指名しましたが、その13社中の10社が辞退し、3社が残りました。しかし、残った3社を調べてみると現職議員との関係や市長と関係が疑われるとの声や、選定方法や経緯に不安が残るなどの声が多数あがり、質疑、討論が行われました。結果、6月議会に提出された議案「財産の取得(移動式観覧席)」は賛成15対反対12で可決となりましたが、その経緯を傍聴していた市民から、もっとしっかりと調べてほしいという思いの請願が提出されました。
その請願を受けて、委員の見解は
賛成討論
請願者が感じている不透明感は審議時間が足りなかったわけでもなく、本市において権限を持った委員会が(議論ではなく)調査をしなければならないことを示している
今回の移動式観覧席については購入の経緯等々に関しては不透明なまま。よってこの不透明さを明らかにするためには百条の権限を付与するしかない
などの意見がでました。
また反対討論としては
反対討論
すでに協働環境委員会や本会議において賛成、反対それぞれの立場から多くの議員の討論が述べられた上で採決を行った結果、賛成多数で原案可決となった
議論が尽くされてないということであれば、継続審査や所管事務調査といった取り扱いもできた
などの意見がでました。
結果、賛成3:反対5で請願は本委員会では不採択となりました。
当日傍聴にいていた方からは
市民は議会で意見を述べる事が出来ません。だから請願を提出し、疑問を払拭して欲しいと願っています。議員の皆さんの正義を信じて。(70代女性)
賛成2人と反対1人の意見がありましたが、否決されました。市議会の議員さんも、市の執行部も業者決定の経過などについて市民に対して説明責任を果たすつもりがまったくないのか?という不信感が残るものです。(60代女性)
などの声が聞かれました。
今月の28日(水)には本会議にて議員全体で請願に対する採決が行われます。
※当日傍聴に行けない方はこちらのYouTubeから議会の様子をご覧いただけます。
※「移動式観覧席の財産取得議案」の経緯や討論の詳細はこちらの記事を御覧ください。
以下請願内容
「新体育館の移動式観覧席に関する百条委員会設置を求める請願」
紹介議員金子加代議員
《要旨》
新体育館の移動式観覧席についての不透明さを明らかにするため百条委員会を設置して下さい
《理由》
日頃から飯塚市民の暮らしのために力を尽くしてくださってありがとうございます。私達は6月27日に6月議会の最終日を傍聴した者です。その際、市の行政の不透明さとされている部分を初めて聞かされ、もしこれが事実であるなら、このままにしておいては将来への禍根を残すことになると思い、この請願を出すことにしました。言うまでもなく、不透明とされていることは新体育館の移動式観覧席に関することです。
議会傍聴といっても私達傍聴者はただ黙って座って議場でのやりとりを聞くだけですし、なんの配布資料もありません。聞き取れない部分も少なからずあって話された内容を理解したとは言い難いのです。それでもこの件に絡む入札について、副議長、元飯塚市部長の職という要職にあった方、さらには市長までが関係したのではないかと聞けば、このことを明らかにしてほしいと思うのは当然のことではないでしょうか。
こういった一連のことが事実であるなら私達から集められた税金が不当に水増しして支出されているかもしれません。6月議会の最終日当日は少なからぬ議員さんからこの件についての発言がありましたが、不透明のまま議論は終えられ採択されたと感じています。
本来、議会の採決は十分な議論が前提であるはずです。あの採決は私達には知足な採決に見えてしまいました。
この不透明さを透明にするために手立てを講じていただきたいのです。ぜひ百条委員会を設置し、新体育館の移動式観覧席について私達にも十分理解できるような審議をしていただきますよう強く要望いたします。
(参考資料)
飯塚市議会 R4.9.20議会運営委員会
議会運営委員会
【委員長】
城丸秀髙
「新体育館の移動式観覧席に関する百条委員会設置を求める請願」に
【賛成】
江口徹
川上直喜
兼本芳雄
【反対】
土居幸則
深町善文
鯉川信二
守光博正
瀬戸光
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